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13日に 笠寺観音 や笠寺公園など、南区を街歩いてきました。
またちょっと長めですが、感想を書いておきます。


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この日は昼過ぎに新瑞橋駅で待ち合わせて、バスで行く事になっていました。
地下からバスターミナルに出ると「かつ丼やめました。」と書かれたとんかつ店が。

早めに着いたので脇を流れる山崎川を見ていると、カルガモ?や大きな鯉がいました。
予報では降水確率30%だったので降らないと思っていたのに、ぱらぱらと小雨が。

当日飛び入りの人が遅れて来るというので、少し待ってからバスで笠寺西門に向かいます。


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笠寺観音周辺の道路は狭いのにやけに交通量が多い。
門をくぐると、平日の昼過ぎだからか参拝客はあまりいませんでした。

別ルートで来た人と合流する頃には、傘なしでは歩けない感じになってきたので本堂に。


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雨宿りも兼ねて屋根のある所を舐めるように観て回ります。
御守りを買ったり、 なごや七福神めぐり なんてあったのかと知ったり。
(大黒天の寺は事業所のすぐ近くにありました)

おもかる地蔵を持ち上げたり、玉照姫と藤原兼平のエピソードを読んだりしている間に
いつの間にか雨も止んだようでした。


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雨宿り中に気になっていた、松尾芭蕉と宮本武蔵の碑まで近づいてみました。
芭蕉の碑の側面には、笈の小文で読まれた句、
星崎の闇を見よとや啼千鳥
が彫られていました。
芭蕉が鳴海宿に滞在した際、月の出ていない闇夜を残念がる屋敷の主人に
闇を見よと言うように千鳥が啼いていると返した句らしいです。


宮本武蔵の碑は武蔵の百年忌に、孫弟子の孫弟子の弟(他人では)が建てたものらしい。

あと、冠峯先生景仰之碑という大きな石碑がありましたが、解説もなく何の碑なのかわからず。
調べてみると 小菅剣之助 という人の功績を称えたものだそう。なるほどわからん。


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境内には西門から入ったので、本堂正面にあった山門は出る時に見ました。
門前の池にかかる橋と合わせてなかなか良いです。


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隣接する泉増院という寺にも寄っていきました。
笠寺観音(笠覆寺)近隣にはいくつか同系の寺がありますが、そういうのは 塔頭 というらしい。

生まれ歳守り本尊という、干支に対応した仏像や、本堂には玉照姫の像もあるようです。
どうして徳川家の三つ葉葵の紋があるのかは不明。


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少し戻って、冠峯先生景仰之碑の裏手にある坂道を東に進むと笠寺公園に。
ちょうど青軸という品種の梅が見ごろのようでした。


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戦時中の高射砲の砲台跡や、ある世代以上には懐かしい きんさんぎんさん の桜もあります。

見晴台遺跡 のあった地なので考古資料館を見ていこうと思っていましたが、
こういった公共施設の多くが月曜休館であるのをすっかり忘れていて見られず。


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仕方がないので公園を出て北にある、桜田貝塚跡に移動しました。
八幡社の敷地内に碑と、魚形土器が出土したなど書かれた解説がありました。

八幡社には他にも「神影流・櫻棒の手発祥の地」という謎の石碑もあり、
同行者からは「新陰流のパクリっぽい」など散々に言われていましたが、
これも 調べてみると何かすごそうな由来が


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遺跡のある街だからか、とにかく坂が多い。
北の方に歩いていくと村上社がありました。


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樹齢1000年といわれるクスノキが祀られています。
所々苔むしていたり、朽ちかけていたり、御神木らしいオーラがあります。

行く前は神社の一角に巨木があるのかと思っていましたが、
実際はクスノキの前に鳥居と祠が置いてあるだけで他に何もないシンプルな場所でした。


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次の鶴里駅を街歩きのゴールと考えていたのですが、考古資料館など見られなかったり、
他もあっさりめな場所が多かったからか、まだ17時前で解散には早い。
とりあえず鶴里駅の先まで街歩きを続けてみようという話になりました。

「多数の人が金銭的に迷惑しています!」と張り紙された夜逃げしたっぽい店や、
ゴミ屋敷のような家を横目に北上。


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とりあえず近くにあった神社、 鳥栖八剱社 に着きました。

古墳無いなーと言いながら歩いていましたが、この神社自体が古墳の上にあったようです。
言われてみれば完全に古墳っぽい不自然な街中の丘だった……。

ジェット・リー 好きで人と話が合わないとか、今まで観た映画の話題に夢中で
古墳だと気付かないまま通り過ぎていました。(石碑も何て書いてあるか読めなかったし)
今回は鶴里駅までだと思っていたので、下調べなどもしていなかったのが悔やまれます。


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神社の反対側の坂から降りたら方向感覚が狂い、西ではなく北に進んでしまったので
そのまま「もう近くに神社仏閣があったら寄ればいいや」と適当に歩いていきます。

完全に住宅街、文字通りの街歩きです。
少し前までは一人で特に目的地も決めず、2~3駅分くらい散歩する事がよくありました。
自分の事だけを考えていればよかった頃が懐かしい。戻りたい訳ではないし、戻れないけど。


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スマホで地図を見て「醫王寺(何か読めない寺)がある」と行ってみました。
ここには新屋敷西城という城があったようです。境内にあった鬼瓦しか覚えていません。


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行き先も決めていないので、何となく新瑞橋駅に向かって歩いていきます。

「本」「酒」と看板のある本屋なのか酒屋なのかわからない店を見つけて
「本と酒が一緒に売られているのかな?」と入ってみると、本当に一緒に売られていました。
それだけでなく靴下やスリッパも売っています。よく考えたら品揃えの貧弱なコンビニか。


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新瑞橋に着く頃には日が暮れかけていました。

知り合いが増えてくると、紆余曲折を経て自分の生活を取り戻しつつある人もいれば、
一度取り戻したものをまた手放さなければいけなくなる人もいて、色々と考えさせられます。

日はずっと昇り続ける訳もなく、昇ったり沈んだりが何度もある。
病気であるかどうかに関係なく、誰もそのうち午後の衰えゆく時間と向き合う時が来ますが、
午後には午後の、夕方には夕方の、夜には夜の愉しみもあるのだと思えば慰めになります。


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新瑞橋駅まで戻ってきたのは、昼に気になった例のとんかつ屋に入ってみたかったからでした。

居酒屋メニューと定食メニューが同居する変な店で、もう夜だしアルコールもいいだろうと
タンシチュー定食と生中を注文。軟骨から揚げとハイボールも追加して1350円。
他の人はどて定食や豚ポン定食などを頼んでいましたが、どれも580~680円くらいで良心的。


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壁の張り紙を見ると、とんかつもやめたようで……もう改名しろよ。
とんかつ屋では突出した売りもなく埋もれてしまう店だったのかもしれませんが、
定食も出る安居酒屋だと考えるとコストパフォーマンスの良い店に思えてくるという。

今度行きたい所の話題になり、回転寿司という意見がありました。
どこにでもあるのでわざわざ目指さなくても……という気もしますが、
確かにひきこもり状態から出てきて、一人で入るにはハードルが高いかもしれない。

行った際にはテーブル横の蛇口で手を洗うのがマナーだと教えてあげたい。


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初めて南区を歩いてみた印象は、遺跡や坂道、変な店が多いというものでした。
やはり実際に行ってみて、間近に見たり触れたりしてみてわかる事は多い。

逆に、その目で見て、その上を歩きながらも、知識がないために価値に気付かないまま
通り過ぎてしまうという事もあるのだなあと。
そういう事は多分たくさんあるし、今までもあったのだろうと思います。
もし雨宿りをしていなかったら、おもかる地蔵は一瞥するだけで通り過ぎていたかもしれない。

何もないと思って見れば何も見えず、闇を見るのだと発想を変えれば
そこにしかない味わいや愉しみも見つけられるのだという事でしょうか。