うつの治療には薬物療法の他に認知行動療法が併用されたりします。
自分の認知の歪みを客観視して、合理的な考え方に修正していく方法ですが、
i認知療法というiOSのアプリを使うと手軽にできるので紹介してみようと思います。


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アプリは順番に項目を入力していけば完了するようになっています。
例をまじえながら流れを書いていきます。


1.嫌な気分に陥った状況
(例:○○の時にAさんに声をかけたのに返事をしてくれなかった)
なるべく具体的に、情景が思い浮かぶように書きます。

2.その時の気分を10段階で表す
(例:このアプリの場合は10区切りなので、不安90、悲しい50、困惑70など)
焦点がぼやけないように、一番近い気分を3つくらいに絞ると良いそうです。

3.その時に浮かんだ自動思考
(例:わざと無視されたのではないか、自分は嫌われている)
その時自動的に浮かんできた否定的な思考を書きます。

4.認知のゆがみ
全部で8つの項目があるので、当てはまっているかチェックします。
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(i)のアイコンをタップすると1つ1つ認知のゆがみの説明もあります。
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5.自動思考に対する反証
(例:気付かなかっただけかも、その日は虫の居所が悪かったのかも)
自動思考に対して本当にそうなのか、思いつく反論を書きます。

6.自動思考に代わる適応的な思考
(例:自分にもそんな日はあるかもしれないし、気にしても仕方がない)
無理にポジティブな考え方を書く必要はなく、事実に即して考えます。
これが友人に対してのアドバイスだったとしたら、と考えると良いそうです。

7.それからの気分の変化を10段階で表す
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合理的に検討してみた結果、その時の気分はどう軽減されたか。
嫌な気分が0になる必要はなく、自分の認知を見直す事で
気分がどれだけ変化したかを実感する事が大切です。


こんな感じで、悪い思考パターンに陥っているな、
という時にやってみると幾分か気分を変えられるのではないでしょうか。
こうして自分の考え方を見直して、修正していくうちに
固定されていた認知の歪みが改善されていく事が目的です。

自分はこういうのが性に合っているのか、結構効果を実感できました。
アプリなら手本や紙・ペンを用意して「よし、やるぞ」と
準備するほどの気力が無い時でもできますし。


うつの人に限らず有効な場合もありますし、必要な知識さえあれば
アプリがなくてもできますので、興味のある方はお試しください。
(うつの症状が重い時には良くないかもしれませんので、
医師と相談してから行う事をおすすめします)